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数学と社会の架け橋<数学月間>

7月22日--8月22日は数学月間(since2005)です.日本数学協会は,2005年に,7月22日ー8月22日を数学月間と定めました.この期間は,数学の基礎定数 π(22/7=3.142..) とe(22/8=2.7..) に因んでいます.この期間に,数学への関心を高めるイベントが各地で開催されるよう応援しています. The period of July 22nd to August 22nd was set as "Maths Awareness Month of Japan" by the Mathematical Association of Japan (MAJ) in 2005. These dates are derived from two mathematical constants: Archimedes' constant pi(22/7=3.14) and Napier's constant / Euler's number e(22/8=2.7). Maths Awareness Month of Japan is run on a voluntary basis by the Maths Awareness Council. During this period we support various events for raising the awareness of maths throughout the country.

2016年11月

■11月27日は,夕方からの雨でどんどん寒くなりましたが,藤沢,遊行寺の「一ッ火」に参加していました.5時に始まり9時近くまで行われました.遊行寺に行ったのは初めてです.落語でも,箱根駅伝の中継でも,遊行寺は有名ですね.会の最後に,大僧正直々に全員(何百人でしょうか,例年より少ないそうです)がお札をいただきました.その行列の長いこと.大僧正は97才.すごい大声でのお話,さすがです.(この方が運転免許返上で話題になった方ですね).「一っ火」というのは,本堂のロウソク(それぞれ或るものを象徴して配置され,20~30本位ある)の火を,複雑な手順(方法や役回りがいろいろ)に法り次々に消して行き真っ暗に...,静寂.十八念仏が始まり,火口箱に火花鵜を打ち込み,灯明に移されます.再び弥陀と釈迦の光明に照らされた世界が戻ってきます.念仏は美しい合唱の音楽です.

■大きな百目ろうそくの炎は長く伸びて明るい.じっと見ていると,炎はピタッと動かない.それが突然瞬き始める.また,ピタッとまる.これが周期的に繰り返されます.この自励振動の機構に感嘆して見入ってしまいました.実に面白い.近づけた2本のロウソクの瞬きの周期が揃う(協同する)というのは知っていますが,そもそも,ロウソクの炎の瞬きと,静止が何故繰り返されるのだろうか?どちらの状態も安定でないわけで,この移り変わりが起こる理由を考え込んでしまったのです.

 福1メルトダウン原子炉の中

■福1のメルトダウンした2号機のペデスタル(原子炉(圧力)容器を支えるコンクリートの部屋(地階と1階))の観察を来年1月に実施する計画です.ペデスタルは格納容器(建屋の地階から4階までを含んでいる)の中にありますので,格納容器のX-6ペネ(ペネトレーション貫通孔のこと,ケーブルや配管を通しているが,X-6はコンクリートのメクラ蓋)に穿孔(115Φ)し,自走式のサソリ型ロボットをいれる.実は,この穿孔の準備のため,X-6ペネの前にある遮蔽ブロックを取り外す工事で,X-6ペネ周辺にダメージを与え放射能が漏れだし,昨年10月から最近まで,その作業エリアの放射能除去対策に苦闘していた.いよいよ遮蔽盾に隠れて穿孔作業が始まるが,作業場は高線量のため1日の被曝限度3mSvをすぐ超えるので10分といられない.3人ぐらいの班で,次々と入れ替わりのリレー作業となる.計画は観察だけ.その後.どうやってデブリをとりだすか,どこに保管するかなど問題だらけで可能かどうか?心許ない(燃料プールには,4号機の燃料を入れたままだし).
■現在判明している状態
メルトダウンした福1原発1号機~3号機のデブリの観察
1号機,3号機は,ウエットベントが出来ましたが,建屋は水素爆発しました.どちらも核燃料はメルトダウンして,ほぼすべてが溶け落ちた可能性が高いと東電も認めています(2014.8.6).2号機は,ベントに失敗.圧力抑制室が破損し,直接放射性物質をばらまきました.建屋の水素爆発も起きました.
2号機では,メルトダウンした核燃料の70%~100%が圧力容器の底にたまっていることは,ミュー粒子(宇宙線)を用いた透視で判明しています(2015.3).同様の透視法で1号機のメルトダウンした核燃料は圧力容器にはとんどなく,圧力容器から抜け落ちたことがわかります(IRID資料,2016.10.4).
(注1)装荷核燃料の量は,1機あたり約1トンです.
特に,3号機はプルサーマルで,プルトニウムを含むMOX燃料が装荷されていました.

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(注2)ミュー粒子(宇宙線)による透過像
宇宙線,ミュー粒子は大気で発生し,一様に振り注ぎます.透過力が強いが,高密度の物質を通過すると減衰するので,火山中のマグマや原子炉の核燃料位置を見ることができます.
ミュー粒子の飛んで来た方向の検出は,
原子核乾板を複数枚重ねて感光させる方法や,同じ原理ですが,シンチレータバー(1cm角)と呼ばれる棒を並べた面検出器を,間隔をとって平行に置く方法などで,ミュー粒子の軌跡を知りることで行います.
シンチレータバーの中心には波長変換ファイバー1mmΦが通っていて,ミュー粒子をとらえた位置のシンチレータの発光を,可視光の波長に変えてファイバー端面に伝え,ファイバー端面の半導体検出素子に入れます.
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 1ッ火

X-6ペネ(ペネトレーション,貫通孔)にΦ115の穴開け実施へ
                     11月24日,東電会見
■ペデスタル
http://gendai.ismcdn.jp/mwimgs/c/0/640m/img_c0dc8df6f6b42b8b15bce3ee1358872f274320.jpg (4号機のもの,2011.11,フライデー写真から)
http://gendai.ismcdn.jp/mwimgs/c/0/640m/img_c0dc8df6f6b42b8b15bce3ee1358872f274320.jpg

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