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数学と社会の架け橋<数学月間>

7月22日--8月22日は数学月間(since2005)です.日本数学協会は,2005年に,7月22日ー8月22日を数学月間と定めました.この期間は,数学の基礎定数 π(22/7=3.142..) とe(22/8=2.7..) に因んでいます.この期間に,数学への関心を高めるイベントが各地で開催されるよう応援しています. The period of July 22nd to August 22nd was set as "Maths Awareness Month of Japan" by the Mathematical Association of Japan (MAJ) in 2005. These dates are derived from two mathematical constants: Archimedes' constant pi(22/7=3.14) and Napier's constant / Euler's number e(22/8=2.7). Maths Awareness Month of Japan is run on a voluntary basis by the Maths Awareness Council. During this period we support various events for raising the awareness of maths throughout the country.

カテゴリ: 社会を支える数学/科学

千葉県での広域停電は長期にわたり,大変な日々をお過ごしの方にお見舞い申します.
台風15号が東京湾を通過し千葉に上陸したのは9月9日未明のことでした.すでに2週間が経過しましたが,東京電力パワーグリッドによると22日夜も,千葉県内では約2300戸が停電しているという.その上,家屋の全壊,半壊の被害も甚大で,自治体によるその実態把握も遅れているといいます.政府の災害対策会議の開催も遅く10日午後2時半.官邸の関係閣僚会議はまだ召集されていないが,内閣改造は11日に予定通り行われたのです.政府の対応の甘さが被害を拡大させているわけですが,それはともあれ,ここでは送電網事故の側面だけ取り上げましょう.
送電網システムは,ケーブルネットワーク(ハードウエア)に,制御ソフトウエアや行為者も含み完全に定義しきれない複雑系です.スマート・グリッドになったとはいえ完全に制御しきれない要因が何処かにあるでしょう.台風により木立が揺れ,どこかで送電ケーブルが切れたとし,その場所が運悪く重要な結節点に属するなら,電力負荷が残りの送電線にかかり,あっという間に雪崩をうって広域なネットワークの事故に広がって行くことは良く知られています.引き金となる些細な事故はどこで起こるか予測できません.送電網に頼らない社会にするべきです.再生可能な自然エネルギーは地域で作りその地域で消費する(地域分散型)に適しています.そのような利点のあるソーラー発電なのに,わざわざメガソーラーを作り,また送電網で電気を運ぶのはナンセンスといわざるを得ません.勿論,原発は最悪の複雑系です.

0と1だけが並んでいる語を考えます.そのようなn桁の語をn-bit語と呼びます.
連続して1を含まないn-bit語はいくつあるでしょうか.
(1)n=1のとき,そのような語は,0, 1,ですから,計2個あります.
これをa(1)=2と書きます.
(2)n=2のとき,そのような語は,00, 01, 10で,a(2)=3個です.
11は1が連続するので条件に合いません.
(3)n=3のとき,そのような語は,
n=2のときの語の末尾に0を付加した,000, 010, 100,のa(2)個,
および,n=2のときの末尾に1を付加したものと言いたいところですが,
1の連続を避けるために,n=1のときの語に01を付加し,001, 101のa(1)個で,
互いに背反するこの両ケースを合わせて,a(3)=5です.

連続した1のない語の数の数列a(n)は,このような手順(一般のnで成立)で作れ,2,3,5,・・・・・と続き,
a(n)=a(n-1)+a(n-2)が得られます.これはフィボナッチ数列の再帰的な定義そのものです.
フィボナッチ数列F(n)は,1,1,2,3,5,・・・・・ですから,a(n)は3項目から始まるフィボナッチ数列です.
a(n)=F(n+2)

それでは,連続した111を含まないn-bit語の数はいくつでしょうか.
これも同様な議論で,a(n)=a(n-1)+a(n-2)+a(n-3) となることが証明できます.

(問題)n個のコインを順番に投げて,連続して表がでない確率を求めよ.
(解)連続して表の出ないに相当する語の数はa(n)=F(n+2)でした.
n個のコインを順番に投げて実現する状態数は2^nですから,求める確率はF(n+2)/2^nとなります.

■2次元,3次元の格子点に配置された約数構造
左図の2次元格子{2^n・5^m}は,素数2および5が生成する2つの1次元格子{2^n}と{5^m}の直積で生まれる.10の2次元約数構造が,それぞれ格子点に配置されたものとみなせる.
008
右図の3次元格子{2^p・5^q・3^r}は,3つの素数2,5,3がそれぞれ生成する1次元格子{2^p},{5^q},{3^r} の直積で生まれる.
30の立方体約数構造が,3次元格子点に配置された構造とみなせる.

■4次元約数構造を,新設した1次元格子の格子点に配置してできる4次元+1次元格子の約数構造を例にすると,この格子点は37037(右端の4次元超立方体)の約数構造と,新設した素数3の1次元格子{3^n}との直積で得られる.
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静岡新聞2019.7.15.社説核心核論.AI人材不足 からの抜粋:
博士号を持つ新卒社員に高額報酬を出す企業もでてきて,人材の獲得競争が始まった.
政府の「AI戦略」は,AIを理解し各専門分野に応用できる人を,25年までに年25万人育てる体制を目標に掲げる.経済産業省が3月に出した報告書「数理資本主義の時代」は,企業側の理解のなさを一因としていて,工学出身者に「数学は役に立たない」という時代遅れの先入観が残っているためとしている.この静岡新聞の社説(竹内淳実氏から紹介いただいた)の趣旨は,数学振興に力を入れようということで全く賛成する所だが,旧来の工学者に「数学は物作りに役立たない」というような先入観(この先入観はある程度は理解できる)があるため,AI人材育成を阻害しているという分析の妥当性は,引用されている経済産業省の報告書を読んでみてから判断したい.

(参考)------
■最近見たある大学の紹介ポスターには
基幹工学(機械,電気・電子,工業化学),先端工学(ロボット,AI・データーサイエンス),建築工学の3分類がありました.なるほど,AIは先端工学に収まるようです.
■(毎日新聞2018年7月16日)
大手電機メーカーが、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、ビッグデータなどに精通した技術者の育成を急いでいる。こうした先端ITに習熟した人材が大幅に不足しており、外部からの採用だけでは追い付かないためだ。
 日立製作所はグループの育成プログラムを整備し、ビッグデータを解析する「データサイエンティスト」を、現在の700人から2021年度までに3000人に増やす方針だ。主力事業である鉄道などの運用技術のほか、AIの要件も加えた独自の認定制度を設ける。

■2019年1月21日,立教大学
日本初! AIに特化した大学院
人工知能科学研究科を2020年4月に開設

立教大学(東京都豊島区、総長:郭 洋春)は、国内初となるAI(人工知能)に特化した大学院「人工知能科学研究科」(修士課程)を2020年4月に開設します。

アメリカや中国がAI研究開発において世界的な拠点となりつつある一方で、日本国内では人工知能・データサイエンスに携わる人材が大きく不足しています。特にAI人材育成の国内の教育機関による取り組みを俯瞰すると、数ヵ月間の短期的な講座や、研究室単位での部分的な取り組みに留まっているのが現状です。本学が開設する人工知能科学研究科は、機械学習やディープラーニング(深層学習)を中心としたAI領域について学習・研究できるカリキュラムの設置や文理融合型プロジェクトを推進し、各界を代表する企業等との産学連携による社会実装にも積極的に取り組む環境を設けます。

今後は、全学部学生にもAIを学ぶことができる環境を整え、研究者養成のため博士課程を設置することも目指します。

目的
人工知能および革新的なビッグデータ解析技術を駆使することで、自然科学・人文社会科学分野に新しい知を創出することを目指します。そして、人工知能・データサイエンスの深奥を極めた人材を社会に輩出することで、超スマート社会の実現に積極的に貢献することを目的とします。

4つの特長
1)機械学習・ディープラーニングの本格的な学習
2)社会科学×AI」による革新的な研究と人材育成
3)産学連携による「社会実装」プログラムの充実
4)昼夜開講形式で、社会人も学びやすい環境

研究科データ
・設置時期:2020年4月
・募集定員:63名
・所属キャンパス:池袋キャンパス
・学位:修士 (人工知能科学)
・教員数:9名
・開講形式:昼夜開講 <平日6時限(18:30~)+土曜日>を中心
・選考方法:4月下旬以降に公表予定
・HP:https://ai.rikkyo.ac.jp/ ※1月31日OPEN予定
※2019年4月下旬に文部科学省へ設置届出を予定しています。また、記載されている内容は予定であり、変更の可能性があります。

参考資料
人工知能と倫理
AIの活用にあたっては、「ELSI」(” Ethical, Legal, and Social Implications”=倫理的、法的、社会的諸問題)に十分な配慮が求められます。本研究科ではAIにかかわるELSIを重点分野と捉え、人工知能の倫理を専門とする教員を配置し、AI ELSIを学ぶ科目を1年次必修とします。

輩出する人材のモデル
【AIサイエンティスト】
機械学習の数理モデルを深く理解し、高度な情報科学や統計学の知識を持ち、論文から最新のAI技術を実装できる力を育成。先端的な機械学習モデルを主導できる人材を目指します。
【AIエンジニア】
エンジニアやプログラマー経験のある社会人が、AI関連技術と既存技術と合わせて発展的に生かす力を育成。既存のAI技術をソフトウェアで実装でき、実データに対して機械学習の応用ができる人材を目指します。
【AIプランナー】
基礎的なAI関連知識を有し、業務活用を企画できる力を育成。ソフトウェア実装を経験し、エンジニアやプログラマーとコミュニケーションできる人材を目指します。
【AIプロデューサー】
ビジネス経験の豊富な社会人が、幅広く、そして深いAI関連の知識や技術を身に付けます。それらを生かして製品開発やサービスの企画立案を主導できる人材を目指します。

設置科目(予定)
機械学習やディープラーニング(深層学習)など、人工知能・データサイエンス分野の「知の体系」を修得する科目を設置します。企業の先端的なAI開発・事業開拓を授業内容に取り込み、社会での実践的な力を養成する科目(プロジェクトチーム実習)を充実させます。
【基幹科目】データサイエンス概論/機械学習/人工知能概論/深層学習/先端科学技術の倫理/統計モデリングⅠ/複雑ネットワーク科学
【基礎科目】情報科学概論/数理科学概論/社会情報科学概論/意思決定の科学/計算機科学概論/人工知能の哲学
【応用科目】AIビジネス特論/自然言語処理特論/人工知能社会実装/認識技術特論/脳神経科学特論/統計モデリングⅡ/量子情報特論
【演習・実習科目】Pythonプログラミング/機械学習演習Ⅰ/機械学習演習Ⅱ/深層学習演習Ⅰ/深層学習演習Ⅱ/社会モデリング演習/輪講Ⅰ/輪講Ⅱ/データサイエンス実習
【研究指導科目】プロジェクトチーム実習Ⅰ/プロジェクトチーム実習Ⅱ/特別研究Ⅰ/特別研究Ⅱ/特別研究Ⅲ/修士論文指導演習

研究科開設の背景補足:日本のAI・データサイエンス教育の問題
米国の有力大学では経済学とコンピュータサイエンスのダブルメジャーのように文理を区別せずに学ぶことができます。一方で、日本国内ではデータを分析的に扱うことを学ぶ学部生は極めて少ないのが現状です。本研究科は、多様な学部を卒業した学生が、第2の専門分野として大学院でAI・データサイエンスを修得する新しいタイプの大学院です。
2019年1月21日

立教大学

日本初! AIに特化した大学院
人工知能科学研究科を2020年4月に開設

立教大学(東京都豊島区、総長:郭 洋春)は、国内初となるAI(人工知能)に特化した大学院「人工知能科学研究科」(修士課程)を2020年4月に開設します。

アメリカや中国がAI研究開発において世界的な拠点となりつつある一方で、日本国内では人工知能・データサイエンスに携わる人材が大きく不足しています。特にAI人材育成の国内の教育機関による取り組みを俯瞰すると、数ヵ月間の短期的な講座や、研究室単位での部分的な取り組みに留まっているのが現状です。本学が開設する人工知能科学研究科は、機械学習やディープラーニング(深層学習)を中心としたAI領域について学習・研究できるカリキュラムの設置や文理融合型プロジェクトを推進し、各界を代表する企業等との産学連携による社会実装にも積極的に取り組む環境を設けます。

今後は、全学部学生にもAIを学ぶことができる環境を整え、研究者養成のため博士課程を設置することも目指します。

目的
人工知能および革新的なビッグデータ解析技術を駆使することで、自然科学・人文社会科学分野に新しい知を創出することを目指します。そして、人工知能・データサイエンスの深奥を極めた人材を社会に輩出することで、超スマート社会の実現に積極的に貢献することを目的とします。

4つの特長
1)機械学習・ディープラーニングの本格的な学習
2)社会科学×AI」による革新的な研究と人材育成
3)産学連携による「社会実装」プログラムの充実
4)昼夜開講形式で、社会人も学びやすい環境

研究科データ
・設置時期:2020年4月
・募集定員:63名
・所属キャンパス:池袋キャンパス
・学位:修士 (人工知能科学)
・教員数:9名
・開講形式:昼夜開講 <平日6時限(18:30~)+土曜日>を中心
・選考方法:4月下旬以降に公表予定
・HP:https://ai.rikkyo.ac.jp/ ※1月31日OPEN予定
※2019年4月下旬に文部科学省へ設置届出を予定しています。また、記載されている内容は予定であり、変更の可能性があります。

参考資料
人工知能と倫理
AIの活用にあたっては、「ELSI」(” Ethical, Legal, and Social Implications”=倫理的、法的、社会的諸問題)に十分な配慮が求められます。本研究科ではAIにかかわるELSIを重点分野と捉え、人工知能の倫理を専門とする教員を配置し、AI ELSIを学ぶ科目を1年次必修とします。

輩出する人材のモデル
【AIサイエンティスト】
機械学習の数理モデルを深く理解し、高度な情報科学や統計学の知識を持ち、論文から最新のAI技術を実装できる力を育成。先端的な機械学習モデルを主導できる人材を目指します。
【AIエンジニア】
エンジニアやプログラマー経験のある社会人が、AI関連技術と既存技術と合わせて発展的に生かす力を育成。既存のAI技術をソフトウェアで実装でき、実データに対して機械学習の応用ができる人材を目指します。
【AIプランナー】
基礎的なAI関連知識を有し、業務活用を企画できる力を育成。ソフトウェア実装を経験し、エンジニアやプログラマーとコミュニケーションできる人材を目指します。
【AIプロデューサー】
ビジネス経験の豊富な社会人が、幅広く、そして深いAI関連の知識や技術を身に付けます。それらを生かして製品開発やサービスの企画立案を主導できる人材を目指します。

設置科目(予定)
機械学習やディープラーニング(深層学習)など、人工知能・データサイエンス分野の「知の体系」を修得する科目を設置します。企業の先端的なAI開発・事業開拓を授業内容に取り込み、社会での実践的な力を養成する科目(プロジェクトチーム実習)を充実させます。
【基幹科目】データサイエンス概論/機械学習/人工知能概論/深層学習/先端科学技術の倫理/統計モデリングⅠ/複雑ネットワーク科学
【基礎科目】情報科学概論/数理科学概論/社会情報科学概論/意思決定の科学/計算機科学概論/人工知能の哲学
【応用科目】AIビジネス特論/自然言語処理特論/人工知能社会実装/認識技術特論/脳神経科学特論/統計モデリングⅡ/量子情報特論
【演習・実習科目】Pythonプログラミング/機械学習演習Ⅰ/機械学習演習Ⅱ/深層学習演習Ⅰ/深層学習演習Ⅱ/社会モデリング演習/輪講Ⅰ/輪講Ⅱ/データサイエンス実習
【研究指導科目】プロジェクトチーム実習Ⅰ/プロジェクトチーム実習Ⅱ/特別研究Ⅰ/特別研究Ⅱ/特別研究Ⅲ/修士論文指導演習

研究科開設の背景補足:日本のAI・データサイエンス教育の問題
米国の有力大学では経済学とコンピュータサイエンスのダブルメジャーのように文理を区別せずに学ぶことができます。一方で、日本国内ではデータを分析的に扱うことを学ぶ学部生は極めて少ないのが現状です。本研究科は、多様な学部を卒業した学生が、第2の専門分野として大学院でAI・データサイエンスを修得する新しいタイプの大学院です。

■まず210の約数の構造を例に,亀井図の性質を調べてみましょう.
210の約数の系統的な構造は,4次元の超立方体と同じ構造です.
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210は4つの互いに素な素数の積210=2・3・5・7から出来ているので,4次元超立方体と同じ構造です.
頂点1のレベルには1個,頂点2のレベルには,4つの素数で4個.頂点6のレベルには,2つの素数の積で,4C2=6個.頂点30のレベルには,3つの素数の積で,4C=4個.頂点210のレベルは,4つの素数の積で,1個です.4次元の超立方体には対象心があり,互いに点対称な頂点の積は210になることも理解できます.
4次元の超立方体の1つの次元(例えば,素数2の方向)を消すと,3次元の立方体の2つに分離します.同様なことを,それぞれの3次元立方体で考え,例えば,素数7の方向の次元を消すと,3次元の立方体は2次元の面(例えば1-3-15-5)に分離します.

4dimb

このような性質を利用して,さらに高次元の6次元や7次元の超立方体を,同様に作れます.
■こんどは,5次元の超立方体を調べます.2310を素因数分解すると,2310=2・3・5・7・11ですから,2310は5次元の約数構造を持つ最小の数であるはずです.
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この5次元の超立方体は,素数2の方向の次元を消し去ることで,4次元の超立方体1155と2310の2つに分離することはお判りでしょう.
5次元空間は,1次元空間と互いに直交する4次元空間の直積で表現できるからです.
あるいは,互いに直交する2次元空間と3次元空間の直積ともみなすことができます.
例えば,2次元空間の代表を1-2-6-3とし,3次元空間の代表を385とすると,
385,770,2310,1155 の4つの3次元の立方体を見ることができるでしょう.

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